カルチャー

NICO Touches the Wallsの活動終了によせて〜なぜNICOは売れなかった?人気が出なかったのか?〜

2019年11月15日、私にとって最悪なニュースが飛び込んできた。
「NICO Touches the Walls活動終了」

誰が予想しただろうか。
否、NICOファンは心の片隅にもしかしたら、と思っていたかもしれない。
なぜなら、9月のSPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWERというフェスを出演した後、何も音沙汰がなかったからだ。

でも、音楽が大好きで不器用な彼らが解散するなんてないだろうと確信していたからこそ、天地がひっくり返る報せだったのだ。

NICO Touches the Wallsのライブの凄さ

私の初めて見たライブがNICO Touches the Wallsだった。
当時の大学友達にCDを借りて、そのまま誘われたので行ってみることにした。
CD聞いて、歌が上手いな、と単に思っていただけで思えば、期待度は低かったのだ。

でも、ライブをみて、NICOの印象が180度変わった。
時間を忘れ、CD音源を遥か10倍良い圧巻のライブだった。

5thシングル「ホログラム」を発売した直後のライブだったから、今思えば荒削りな演奏。
それでも観客を魅了する歌声と楽曲たち。
知らないうちに、手をあげ、リズムにあわせて踊っていた自分がいた。
このとき、CD音源を越えることがあるのだと思い知った。
ライブなんてCDより下手に聞こえるだろうという私の中の常識を打ち消して魅了されてしまった。

そこから私が10年間NICO Touches the Wallsを追いかける日々が始まったのだ。

他のバンドを見に行くことが増えたが、NICOほどライブとCDが違う印象に変えてくれるバンドはいなかった。
いつも何をしてくれるんだろう、とわくわくした。
学生時代から見続け、社会人になってもその気持ちを持たせ続けてくれたのだ。

フェスでは大きいステージにたち、集客力がすくないと言われていた。
でも、実際フェスにいってみると、演奏を聞いたNICOファンじゃない観客は口を揃えていう。

「NICOすごいよかった~今度CD聞いてみよう」
必ずその言葉を耳にしていた。

フェスで絶対聞いてもらえれば気に入ってもらえる実力を兼ね備えている。
そんなNICOがなぜ活動終了を決めたのか?

そのひとつにセールスの問題だと私は思う。

なぜ売れなかったのか?事務所のプロデュース力とシングルCDの売り出し方

「もっと売れたい」
5年前くらいにVo.光村がいっていた言葉だ。

「ホログラム」でアニメファンに知ってもらう機会が増えた。
「手をたたけ」で世間で耳にしてもえた。
「天地ガエシ」がハイキュー!!とともにヒットとなった。

アニメやドラマのタイアップ、さらにCMで流れる機会も多かった。
なのになぜ売り切れなかったのか。それを同期バンドのユニゾンファンの夫と話したことがある。
(ユニゾンがうれまくってるから嫉妬が常にあった)

ひとつは、事務所のプロデュースがいまひとつだったこと。

「勇気も愛もないなんて」まではよくタイアップもあったし、雑誌やメディアにもよく出ていた印象。

ここ2,3年はからっきしだった。
月額制のファンクラブサイトも更新がなく、SNS上でも苦言ばかり見かけたものだ。

ファンに対して親切ではないのだ。
会社の方針なのか、NICOの考えなのかは分からないが、プロデュースはもっとできたのではないかと考える。

ふたつめはシングルの売り出し方

シングルはアルバムより手に取りやすい価格だ。いうなれば、バンドの顔。
シングルが良ければアルバムも聞いてみようと気になる。

しかし、だ。
NICOはシングルの統一性がない。
彼らの音楽は影響を受けているものが多いのだ。

ロック、ポップス、ジャズ、カントリーなどのルーツが多すぎて、彼らの武器はこれというものがない。

よく言えばどんなジャンルでもできるバンド。
悪く言えば器用貧乏。

例に出すと、ユニゾンの場合。
彼らが出すシングルは、すべてキャッチーでポップな聞きやすい楽曲が多い。
彼らが得意であり、新規ファンにも優しいつくりになっている。
でもアルバムでは、こんな引き出しがあったのか!と思わせる、ロックだったりバラードだったりと様々な挑戦をしている。

でもNICOは、シングルでは出すこと出すこと、変わった顔を見せている。
「ホログラム」→「かけら」
「手をたたけ」→「夏の大三角形」→「夢1号」
「天地ガエシ」→「TOKYO Dreamer」

どれも良曲揃いなのだが、いまいち同じバンドなのか?と認識しづらいのだ。

私が好きなバンドの批判をしたいわけじゃないが、
NICOの弱かったところは自分たちのバンドのカラーがなかったことだと感じる。

ただ彼らは誰にも縛られずに好きに音楽をやりたかっただろうが、
彼らの音楽が世間には受けなかった。
これだけいいバンドが続けられないのは、本当に残念に思う。

新しいNICOの方向性が決まった、と思った矢先の活動終了。

活動終了とともに、NICOファン、音楽関係者からはいろんな意見が出た。

「いきなりの活動終了なんて受け入れられない」

私も同じ意見だ。

皮肉にも最後のアルバムとなった「QUIZMASTER」のライブをみて、彼らの新しい道を見つけたと思ったから。

幸いにもNICOの最後のワンマンライブにいけた。
誰も思ってもいなかった最後のアルバムである「QUIZMASTER」発売後の追加公演。

楽曲の演奏は完璧で、曲の完成度も仕上がっていた。
そして光村の歌唱力。
高音の伸びが果てしなく伸びる。
暗い楽曲が多い「QUIZMASTER」だが、観客たちが魅了される。

ああ、NICOはひとつの形を見つけたのだ、と。

聞かせるのではなく踊らせるのではなく聴かせるバンドになったんだと思った。

「手をたたけ」やアニソンバンドだけではない!NICO Touches the Wallsの新たな魅力こんばんは!妻のいーなです。     皆さんこの曲、知っていますか? 昔、「au LISMO!」のテーマソングになっており、現在20~...

バンドの新たな形が決まってこれからの活動が楽しみだと感じた頃にはもう解散が決まっていたのか?それがただただ悲しい。

もしかしたら本人たちはNICO Touches the Wallsでやれることはやりきったから、もうライブをしなかったのかもしれない。

バンド結成10周年でもお祝い事をやらない、自分たちがこだわりを持った道を突き進む---ひねくれものと自称する彼らを追い続けてきた私からしたら、彼ららしくもあるけれど、寂しいじゃないか。

もうNICOのライブが見れないなんて未だに実感が湧かない。
新しい楽曲が私の耳に届かないなんて考えられない。

未だに私はNICOの解散を受け入れず、NICOの楽曲を聴いて涙する夜が過ぎていく。

ひねくれものなNICO Touches the Wallsの曲を聞いていく

嘘だ嘘だと思い続けてもNICOの活動終了は夢ではない。
あっさりとした文章だったが、きっと何度も話し合って答えが活動終了になったのだと思う。

「飛びたい方に何度も僕は走り出す
さよならもうふりかえらぬ街」

この歌詞は、初期の曲「image training」の歌詞。
彼らは振り返らず、それぞれの道を歩む。ひねくれものだから、それでいいのだ。

きっと彼らが大好きな音楽はずっとやり続けてくれる。
NICOは終了したが、歌は永遠に残り続ける。ずっとNICOというバンドも忘れない、楽曲も聴き続ける。

ありがとう、私の大好きなロックバンド!

「バイバイ また会える日まで 僕を忘れないでよ」